欧米金融機関 再三その場しのぎ
米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題の影響で業績悪化が続く欧米の主要金融機関が、傷んだ財務基盤を強化するため、第3次の「増資ラッシュ」に乗り出している。四半期決算ごとにサブプライム関連の損失が拡大し、その都度、増資に追われる悪循環から抜け出せないためだ。市場からは一時しのぎの増資ではなく、公的資金の注入による抜本的な対策を迫られる可能性もある。(ニューヨーク 山本正実、ロンドン 中村宏之)
各金融機関が発表した2008年1〜3月期決算などによると、昨年からのサブプライム関連の損失額は、日米欧の主な金融機関24社の公表分で約2460億ドル(約25兆3000億円)にのぼった。
内訳は、米国の11社が約1460億ドルで、このうち約500億ドルは年明け以降に膨らんだものだ。欧州勢は計約900億ドル、日本もみずほフィナンシャルグループなど5社で約9570億円にのぼる。
個別の損失額はシティグループが最も多く、消費者金融分野なども含めて438億ドルに達した。スイスの大手銀行UBSや、米大手証券メリルリンチも300億ドルを超えている。
このため、欧米の金融機関は損失の穴埋めや手元資金を確保する目的から、業績の悪化が顕在化した昨年11〜12月、追加損失が生じた今年1月に続いて、3回目の増資対策などに追われている。
米国では、シティグループが新たに59億ドルの増資を決めたほか、JPモルガン・チェースも58億ドルを調達した。メリルリンチも社債発行などで95億ドルの調達を計画中と伝えられ、大手銀のワコビア、大手証券のリーマン・ブラザーズも、4月に入って増資計画を相次いで表明している。
欧州では、英銀行大手のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が将来予想される損失分も含めて、現時点での損失見通し額の84億ポンド(約1兆7200億円)を上回る160億ポンドを調達する計画だ。
スイスのUBSは23日に開いた年次株主総会で、純利益の赤字転落や増資を決定した経緯をマルセル・ローナー最高経営責任者(CEO)が説明し、「悲惨な決算となり、大きな信頼を失う結果となった」と株主に謝罪した。
シティは今回、併せて従業員約9000人の削減計画を発表するなど、各金融機関は事業再編を含むリストラの強化も迫られている。
(2008年4月24日 読売新聞)
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