みずほ株 下落要因に
みずほフィナンシャルグループ(FG)が2003年春に経営再建の切り札として実施した1兆円増資で発行した優先株が7月1日から普通株に転換できるようになる。証券会社など機関投資家が多く保有する優先株が一斉に普通株に転換されれば、市場に出回る株が増え、株価の下落要因にもなりかねない。前田晃伸社長らみずほ経営陣は本業強化による株価回復に向けた経営戦略の強化が求められている。
◇転換の仕組み 転換の対象となるのは、みずほが03年3月に取引先企業など約3500社を相手に実施した1兆円増資の大半を占める9437億円の優先株だ。この増資によって不良債権処理を進め、みずほの株式時価総額は05年11月に10兆円を超えた。
しかし、最近、みずほ株は低迷している。転換価格は、4月24日から6月9日まで30営業日の終値平均で決まる。優先株の額面は100万円で、終値平均が50万円となれば優先株1株につき普通株2株、25万円なら4株が割り当てられる計算で、株価が下がれば下がるほど普通株が増える仕組みだ。
優先株は16年7月まで自由に転換でき、転換価格も毎年7月に変更されるが、仮に7月にすべての優先株が50万円で転換されたとすれば単純計算で市場に出回る株式数が2割弱増えて、その分、株価は下がる。
証券会社や外国法人が持つ優先株の保有比率は07年3月末の約4%から08年3月末には25%へ急増。「空売りでみずほ株を下げて、普通株の割当数を増やそうという動きも一部にみられる」(証券関係者)との観測もある。
◇株価一時102万円 みずほは03年3月期決算で税引き後利益が総額2兆円の赤字になった。1兆円増資で得た資金力で不良債権処理を順調に進め、一時、株価は102万円まで上がった。
だが、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題で損失が邦銀最高額の5650億円に達し、その余波で、新光証券とみずほ証券の合併が延期された。08年3月期決算は当初見込みの7500億円の税引き後利益が3100億円にまで落ち込み、株価も30万円台まで下落。優先株の普通株への転換がこの時期に到来したことは、みずほ経営陣にとって誤算だったとみられる。
(2008年4月28日 読売新聞)
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